2011年11月14日

テンデイズゲーム会

エッセンから帰ってきて3日の10月28日。
持ち帰った新作を試すべく、いろいろな方に声をかけ、お試しゲーム会を開催。


・トゥルネー(Tournay / Sebastien Dujardin, Xavier Georges, Alain Orban / Pearl Games / 2011)

昨年のエッセンで発表された「トロワ」で話題を呼んだPearlGames期待の新作。
エッセン会場での投票によるランキングで1位になり、今年も大きな話題となり、楽しみにしている人も多いのではないのでしょうか。
もちろん、私もその一人。というわけで、現地で買ってきものを早速プレイ。実は、二日前にも遊んだので、2回目。

さて、その内容。
ベルギーの街「トゥルネー」を舞台に、プレイヤーは市民駒を用いてさまざまなアクションを駆使し、より高い得点を獲得することを目指します。
いくつかのアクションが用意されているものの、メインとなるのは「建物」や「人物」のカードの獲得と、その効果の使用。
カードは、3つの色とレベル1〜3に分けられ、獲得するためにはそのカードに対応する市民駒を、そのカードのレベル分使用する必要があります。
そして、手に入れたカードは手札となり、コストを支払うことで自分の場に出すことになります。
場に出された「建物」カードは、そのカードに対応した色の市民駒を置くことで、その効果を使用することができるようになります。
そのほか、お金を得たり、イベントに対抗したり、使用済みの市民駒を再使用するために戻したりというアクションが用意され、それを手番ごとに選択し、進めていきます。

カードゲーム版「トロワ」なんて声も聞かれましたが、実際にプレイしてみるとかなり違うという印象。「トロワ」は「トロワ」、「トゥルネー」は「トゥルネー」。当たり前といえば当たり前ですが。(笑)

「トロワ」では、場に配された共通のカードを全員が使っていくことでゲームが進められたり、他のプレイヤーとダイスを取り合ったり、という要素があり、他のプレイヤーの動向も非常に重要だったのだけれど、「トゥルネー」では、いかに効率よく自分の場を充実させていくかがとにかく重要という印象で、他のプレイヤーの動向まで含んでの戦略を立てる余裕は、(ゲームに慣れる前は特に)なかなかないんじゃないでしょうか。

しかも、どのアクションを行うことが効率的なのか、最初のプレイではその辺も当然わかっていないので、なにをどう進めていけばいいのか、とにかく暗中模索もいいところ。メンバーによっては淡々と進んでしまうこともあるんじゃないでしょうか。

とはいえ、単純に自分の場が充実していくことの楽しさはもちろんあるし、端々に「他のプレイヤーの市民駒をコストを支払うことで、自分の駒のように使用できる」、「自分の手が遅れないようにイベントに対処する」など、効率を追求していくと、自然と駆け引きの度合いが増し面白くなるような仕掛けは用意されているのを感じることができるので、その期待感からリプレイ欲求は自然と高いものに。

特に「カード自体にアクションはないものの、置いてある場所の縦軸と横軸に置かれた建物カードや、プレイヤーのアクション自体のパフォーマンスをアップしてくれる人物カード」を混じえた戦略の組み立ては、安易な「強い建物カード探し」に繋がらないだろうということで、非常に面白かった。

そんな「トゥルネー」、強烈な面白さを感じることはなかったものの、丁寧に作られた重厚なカードゲームとして、十分に期待通り。一回目のプレイでピンと来なくとも、どこかしら魅力的に感じられたなら、ぜひ、二度三度のプレイを。

私自身も、まだまだプレイしたいところ。特に、最初に市民駒を持たない状態ではじまるロングゲームの方が面白くなりそうな予感もあるので、次回か次々回くらいにはぜひ挑戦してみたい。

となかなか好印象な一作ですが、ひとつ重大な欠点が。
カードの効果はアイコン化されているのですが、これがもう、奇っ怪過ぎて意味不明。
わかりやすいものももちろんあるのですが、最初のプレイではサマリーを見る頻度はかなり高めとなり、ゲームのテンポが著しく損なわれます。実際、今回のプレイ中にも「シール貼ったほうがいいんじゃない?(笑)」なんて話が出たほど。
ただでさえ敷居高めなのに!・・・残念過ぎる!


・ソーリー!リベンジ(Sorry! Revenge Card Game / Eamon Bloomfield / Hasblo)

時間調整も兼ねて軽めのカードゲームを。初プレイ。
手番が来たら、手札から数字カードを1枚出します。この時、出したカードに描かれた数字を場の数字(それまでに出されたカードに描かれた数の合計数)にプラスしていきます。
そして、場の数字が21になるようにカードを出したなら得点。
先に4点獲得したプレイヤーが勝利となります。

誤解を恐れず言ってしまえば、一回のスパンが長い「ぴっぐテン」。
特殊効果のカードを使うタイミングの見極めなんかはそれなりに重要で、かつ、使った時のドヤ感が結構快感なので、特殊効果のカードを絡めた面白さはあるのですが、おそらく、テンポよく楽しむことが重要なゲームなので、ま、細かいことは考えずにさらっと楽しむのがいいでは。


・四天王(Shitenno / Cedric Lefedvre / Ludonaute)

日本を舞台にした珍奇ゲー、かと思いきや、至極真っ当な王道ドイツスタイルゲームだった。
メインとなる仕組みは多数派陣取り。ボード上のさまざまなエリア(これが、「トウホク」だったり「カントウ」、「シコク」だったりする)に自分のチットを置いていき、多数を取ることを目指します。置いた時と、多数を取ったときのボーナス点で得点を競う、というのが大まかな流れ。
加えて、このゲームの特徴的な流れとして、古くは「サンマルコ」、最近では「もっとホイップを」的な分配と獲得が行われる、というのものがあります。
チットを置くために必要なカードだったりお金だったり、プレイ順だったりを、手番プレイヤーが組み合わせて提示し、それを受け取るかパスするかし、全員が一組ずつ獲得した後で、チット配置が行われるのです。
手番プレイヤーは、あまりに魅力的な組み合わせを提示しすぎると、ほかのプレイヤーがおいしい思いをしてしまうし、ショボい組み合わせにしてしまうと自分で引き取る羽目になるしで、なかなかに悩まされます。

冒頭にも書いた通り、至極真っ当なスタイルのゲームで、実にきれいにまとめられているという印象。
その分、波乱が起きにくくもありそうで、地味に感じてしまう人も多いかも。
ただ、「サンマルコ」が入手難となってしまった今、この分配と獲得のシステムのおもしろさを味わえるタイトルとして、広い方にオススメしたいタイトルではないかと。


・シティタイクーン(City Tycoon / Hubert Bartos, Lukasz S. Kowal / REBEL.pl)

ドラフトにより獲得したタイルを使った都市開発&デリバリーゲーム。
ラウンドがはじまったら、各ラウンドごとに用意されたタイルの山をプレイヤーがそれぞれ取るところからはじまるのですが、その方法が「ドラフト」!
「世界の七不思議」で採用され、脚光を集めたこのシステム、「ドラフトすること自体がまず楽しい」というのがあるので、プレイ前から俄然期待感が高まります。
実際は、「世界の七不思議」ほどタイルごとの効果や機能が明確に分けられているわけではないため、ドラフトの判断はやや難しくなるのですが、頭の中であれやこれやを組み立てるのはやはり面白く、参加プレイヤー全員が開始直後から「これはいい!」と言うほど。
タイルのドラフトが終わった後は、場へと置いていくことになるのですが、タイルを配置し終えた後に待っているリソースの移動を踏まえての配置はなかなか悩ましく、そのおもしろさはドラフトにも負けていません。
で、最後はタイルから生み出されるリソースを別のタイルへと移動させることでお金だったり得点だったりを獲得することになります。この移動の際、自分のタイルを通る分には全く問題ないのですが、ほかのプレイヤーのタイルを通るときにはいわゆる「通行料」となるコストが発生するため、タイル配置をいかにうまい場所に行っていたかが重要となります。

今回は時間の関係で途中までのプレイとなってしまいましたが、このゲームが持つポテンシャルの高さは十分に感じ取ることができ、非常に価値のあるプレイとなったという感じ。
ちょっとリソースを移動させるときの処理が煩雑なのと、移動させた後の視認性の悪さなど、気になるところはあるものの、ゲーマー心をくすぐるシステム的な仕掛けが多数あり、これは本当にいいタイトルではないかと。
特徴的なアートワークも非常に好み。
いや、マジでこれはいいです。

ちなみに、テンデイズゲームズでも取り扱い予定。12月中にリリースできれば、という感じです。お楽しみに!


というわけで、大満足の4ゲーム。
今年のエッセン新作は、大注目作!というものはなかったものの、どの作品もレベルが高いという印象で、まだ未プレイの作品にもかなり期待が持てます。
また近いうちにお試し会をやらねば。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。