2012年11月15日

琥珀の男爵(Amber / Tomasz Lewandowicz / REBEL.pl / 2012)

「ネットワークビルド」というジャンルがあります。
ゲームボード上にタイルや駒を使い、道やラインを構築していくというシステムを持ったゲームを指すジャンルです。
ボード上に広がっていく道やラインは、見た目にも華やかで、狙い通りに繋ぎたい部分を繋げられたときの気持ちよさもわかりやすく、だれにでも受け入れられやすいジャンルだと思います。

しかし、今どきのゲームシーンを見てみると、「ネットワークビルド」の面白さをしっかりと味わうことのできるゲームは、「蒸気の時代」や「電力会社」といった本格的なものが多いように思うのです。
私は常々、「ごくごくシンプルなネットワークビルドのゲームがリリースされたら面白いのだけれど」と思っていました。
そう、「繋がった!」、「邪魔された!」、そんなことを純粋に楽しむことのできるゲームがあればいいなあ、と思っていたのです。

このエントリーで紹介する「琥珀の男爵」は、そんなところへリリースされたネットワークビルドの新作なのです。

プレイヤーたちは、とある国の男爵たち。
この国では、琥珀が見つかり、賑わいを増しつつあります。
男爵たちは、その琥珀を運ぶための道を作り、城や村を繋げることを目指すのです。

ゲームのシステムとしては、非常にシンプル。
手番では、様々な形をした道のタイルを配置し、道を繋いでいきます。
そして、自分の城から他の城や村をすべて繋げることができたプレイヤーが勝者となるのです。

このゲームの面白さは、なんといってもネットワークビルドの根源的な面白さである、「繋いだときの快感」と「邪魔をされた時の悔しさ」を本当に純粋に楽しむことができる、というところでしょう。
引いたタイルを使ってどのように道を繋いでいくのがもっとも効率がよく効果的なのか、お金のマネージメントだとか複合的なアクションを考慮することなく、純粋に考えることができるのは、誰もが楽しいと思えるはずです。
また、タイルを除去してしまうスコップや、行き止まりにしてしまう池などもあり、時には他のプレイヤーへのいやらしいアプローチがポイントとなることも多いのです。
とはいえ、決して、ギスギスとした雰囲気になるでもなく、「あー、もう!」と素直に悔しがることができるのです。
これも、ゲーム全体に漂う純粋さがあってこそではないでしょうか。

繋ぐ、そして時にちょっと邪魔をする。喜び、悔しがる。
その楽しさを明快に示したところが、この「琥珀の男爵」のもっとも大きな魅力なのです。
ちょっと遊んで、このゲームを「シンプルすぎる」と評することは簡単でしょう。
しかし、それは少し野暮というもの。
うまくいったらもちろん楽しいし、悔しい思いもまた楽しい。きっと誰もが感じられるであろう、その楽しさを素直に味わうことが一番でしょう。
パッケージやタイルの明るいデザインのテイスト通りの楽しさは、本当に魅力的なのです。

最後に、このゲームでは、戦略性を豊かにする上級ルールも用意されていますが、私は、やっぱり、もとのシンプルなルールで楽しむことをオススメします。

posted by タナカマ at 02:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲームレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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