カプコンが日本版を発売した当時「他に出すべきゲームがあっただろ!」とゲーム愛好家に思われたがゆえに、イマイチ正当な評価を受けていないような気がする。これは勝手な憶測だけど。
他のゲームと比べたりせず、きっちりと一作品としてみれば、十分に面白いゲームだと思うんだけどなぁ。
・数独カードゲーム
・指輪物語
・手荷物検査
・数独カードゲーム(SuDoku: Das Kartenspiel / Reiner Knizia / Kosmos, Z-Man Games / 2006)

以前、遊んだ時はルールが間違っていたからか、イマイチだったこのゲーム、今回、改めて正しいルールで遊んでみたら、なかなかに面白くてビックリ。
自分以外をいかに縛っていくか、を考えながらのプレイが面白さをアップさせるには重要で、かつ、キモの部分だとは思うんだけど、それにしては運によるところが大きすぎるのは好き嫌いが分かれるところかな。
あと、「本来、置けないところに間違えて置いてしまったことを指摘されると減点」というルールは、ゲームを面白くはしているけど、イマイチ美しくないかな。置けないことを指摘されたとしても、それがマイナスに直結するのではなく、手を修正させたとしても、それでも、ゲーム的に面白いものにしてほしかったところ。
・指輪物語(Lord of The Rings / Reiner Knizia / Capcom, Kosmos / 2000)

プレイヤー間で勝敗をつけず、全員で目的を達成することができるかをゲームの目的とした、協力ゲーム。
協力ゲームというと「キャメロットを覆う影」に対する評価が非常にいいですが、個人的にはコチラの方が好み。
というのも、綱引き感というか、「自分の不利な手が、イコール相手の有利な手になる」感覚は、コチラの方が数段上のような気がして。
「キャメロット〜」の場合は、何かしらのイベントで失敗しても、得点機会を一つ失っただけで「このイベントではダメだったけど、他でなんとかすればいいか」とあっさり片付けちゃうことができるというか。(「裏切り者」を入れた場合は変わるのかもしれないけど、入れてのプレイは未体験ゆえ・・・)
それに対して、コチラは、何かしら失敗すると、その分、相手に押し込まれてしまって、その後、確実に胃にキリキリと来る感覚はアップ。この辺は、クニーツィアの本領発揮というところ?
投売りされていることの多いコチラだけど、この面白さが実売1000円ほどで手に入ってしまうかもしれないっていうのは、嬉しいけど、どこか切なさが。買うなら、今!絶対!
・手荷物検査(Hart an der Grenze / André Zatz, Sérgio Halaban / Kosmos / 2006)

「トランクにつめた禁制品をめぐる密輸人と捜査官のかけひき」というテーマだけで、個人的にはもう面白いことが確定。ブラフをゲームの柱にしたゲームは、システム的からくる面白さというより、人間と人間とのやり取りによる面白さの比重が重いわけで、メンツに恵まれさえすれば、高評価に繋がるわけですが、これは、テーマが魅力的なこともあって、個人的には抜群の高評価を上げたいところ。実際、非常に盛り上がったし。
とはいえ、マイナス要素もないわけではなく。
個人的に一番残念だったのが、6人プレイでやっていると、途中で捨て札を切り直して新たに山札をつくる状況が出てくると思うのですが、この時の二回目の山札には、駆け引きの面白さを演出するにも、勝負の行方を決めるにも重要な禁制品がほとんど含まれていない可能性が非常に高い、ということ。
これがもう、残念でなりません。商品の札、もう3割ぐらいは多くてもよかったんじゃないかなぁ。
それとも、適正人数は5人なのかな。6人は多くて。
とはいえ、そのマイナス要素を補って余りある面白さ。いろんな人に勧めたいところ。