
まず、もとになった「ぼろ儲けカンパニー」の流れについてざっと。
手番が来たら以下のアクションの中から、好きな順序で、3行動分行います。
1.カードを補充する
2.カードを手札からプレイする
3.手札を一枚使いカードをプレイするための場を作る
これを繰り返し、山札の中にランダムで入っている決算カードが規定枚数めくられたら決算を行います。
自分の場にプレイされたカード、各種類ごとの枚数を比べ、トップと二位が得点を獲得。
3回目の決算を最終決算とし、得点をもっとも獲得しプレイヤーの勝ちとなります。
決算カードがめくられるタイミングの妙が「ぼろ儲けカンパニー」の肝。
ほかのプレイヤーよりもプレイ枚数を多くするためにカードを補充したい。でも、補充ばかりしていると決算カードが出てきてしまい・・・カードを十分にプレイする前に決算が来てしまったら、せっかく補充したカードが無駄になってしまうし。というジレンマ。そして、カードをめくる時のドキドキ感。
ルール簡単、進行もシンプルなゲームながら、ゲーム的興奮が実にうまく盛り込まれていて・・・いやはや、「ぼろ儲けカンパニー」、いいゲームです。
さて、「ぼろ儲けカンパニー」について、一通り語ったところで、ここからが本題。「栄光のピクトリア」について。
基本となる流れは、上記の「ぼろ儲けカンパニー」と一緒。
で、これに加わったのが「キツネ駒」と、それにともなうアクションです。
この「キツネ駒」がなかなか強烈。置かれた場にプレイされているカードをなんと無効にしてしまうというもの。
そして、「キツネ駒」に対応したアクションですが、手番中に動かせるのはもちろんですが、通常の手番が終了後に左隣のプレイヤー(ようするに次手番のプレイヤー)の場に対して押し付けてしまうのも可。
この「キツネ駒」によって、決算のタイミングの妙がさらにアップ。
「キツネ駒」が置かれた場にプレイされたカードは無効ということは、頭ひとつ抜けた枚数のカードをプレイしていたとしても、気が抜けません。しかも、そのカードが、自分以外にもう一人しかプレイしていないカードだったら・・・自分のカードが無効にされただけで、もう一人が自然と単独ボーナス獲得。これは、もう、強烈に悔しい。
そうならないためにも、「キツネ駒」を動かす必要があるのですが、ここでまた「めくる前に動かすか?」、「自分の手番が終わってから動かすか?」というジレンマがついてまわります。
もちろん、めくる前に動かした方がリスクは少ないわけですが、その分、アクションを無駄にしているともいえるわけで、手が伸びません。これが、また、痛い。
シンプルな流れはそのままに、嫌らしいジレンマをうまく設けた、まったく新しい「ぼろ儲けカンパニー」。これは、オススメ!
ちなみに、この決算のタイミングを計りながら「キツネ駒」を回していく感覚、どことなく「風船爆弾ゲーム」?、あの古今東西をやりながら時限装置式の風船を回していくゲームを思い出した。