2008年02月26日

ゲームレビュー: 勝利への道 拡張1(Verflixxt nochmal / Wolfgang Kramer, Michael Kiesling / Ravensburger / 2006 )

ギリギリと歯を食いしばりながらのガマンガマンの展開がクセになる、スゴロク系ゲームの傑作「勝利への道」の拡張を入手。
これがなかなかにいい内容だったので、レビューもあげちゃいます。

verflixxt_exp.jpg

まず、もとになった「勝利への道」はどんなゲームかということを少し。
手番にすることは「サイコロを振ってコマを進める」という、まさにスゴロクそのまま。ただし、早くゴールすれば勝ちかというとそうではなく、ゴールまでの道中により得点を得たプレイヤーが勝ちというルール。
で、この得点の得る方法が、このゲームならではの部分。ゴールまでの各マスがタイルで出来ていて、自分のコマを進めた際に、元いたマスのタイルを獲得、そこに書かれた得点が手に入るという仕組み。
この基本的なルールに加え、「ほかのコマがマスにいた場合はタイルの獲得が出来ない(他のプレイヤーのコマが重しになってる?)」、「自分のコマ以外に中立のコマがあり、動かせるならば、自分のコマの代わりに動かしもよい」といったルールがあることによって、必然的に高得点のマスにはコマが集中するようになったり、また、マイナスのマスにいる時は移動させるタイミングをはかったりと、他のプレイヤーと睨み合いの展開に発展しがち。このスゴロク系ゲームでありながら、睨み合いの展開というのが、このゲームの妙味で、グッと堪えに堪えたにも関わらず、高得点マスから他のプレイヤーよりも先に自分のコマを動かさなければいけなくなった時のチクショー!感たるや。とはいえ、このチクショー!もサイコロの結果によるものなので、プレイヤー間でギスギスとした感じになることもないし、明るいネガティブ感とでもいいますか。とにかく、「ガマン」と「声に出して悔しがる」、この繰り返しがなんともクセになる面白いゲームなんです。

さて、前振りとしては長くなってしまいましたが、そんなゲーム「勝利への道」に拡張セットが登場。
その「拡張セットその1」を紹介するわけですが、この拡張セット、「勝利への道」におけるプレイ感、上記のガマンガマンの展開をぶっ壊しています。(笑)
では、なぜそんな違いが生まれたのか。
「Flixxyコマ」という新たな中立コマの追加。コイツですよ、コイツ。コイツがデカイ。
手番プレイヤーは、通常のサイコロの他に、アクションダイスと呼ばれるサイコロを追加で振り、その目によって「特になし」、「Flixxyコマを動かす」、「Flixxyコマ以外を動かす」の三つのうちのどれかを行うことになります。
この「Flixxy」コマ、中立のコマというだけで、特別な効果があるわけではないのですが、「Flixxyコマを動かす」という選択肢がまったくない出目がサイコロに用意されていることによって、思った以上に面白い動きをしてくれ、結果、プレイ感の変化をもたらすわけです。
勘のいい方ならお分かりかと思うのですが、普通の「勝利への道」では、「どのコマを動かすか?」の選択が非常に重要な要素だったわけですが、「選択肢がない場合がある」というだけで・・・ねぇ?
せっかくの「いい巡りで自分の手番が来た!高得点マスゲットだ!」という状況も、サイコロが「Flixxyコマを動かす」だったために台無し・・・ということも多々起こるわけです。そして、思わず「チクショー!」。
あれ?この「チクショー感」。まさに、いつもの「勝利への道」。
展開をぶっ壊しているにも関わらず、「勝利への道」ならばこそのチクショー感は健在!これは結構、スゴいことなんじゃないかと。
選択肢がない場合があることによってゲームの進行も早くなり、ノリもパーティーゲームよりにシフト。普通の「勝利への道」はちょっとなぁ・・・という人でも、このノリならオーケーという人は必ずいるはず。

拡張セットというと、「ファンのためのもの」という印象が強かったけれど、「勝利への道」の場合は、これを加えたら「ゲームの守備範囲が広くなる」といった感じ。
ギリギリと歯を食いしばりながら、もしくは、サイコロの目に頭を抱えながら・・・今日はどっちの「チクショー感」がお好み?なんてね。

実は、ほかにも追加要素はあるのですが、それは手に入れてのお楽しみ、ってことで。
なんにせよ、オススメ。激オススメ。


posted by タナカマ at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲームレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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