パンタロス(Bernd Eisenstein / Irongames / 2014)
2〜5人用 / 90分 / 12歳以上
プレイヤーは、地下世界に住まうタイタンの攻撃に対抗しながら、古代国家において、指導者としてより多くの利益を得ることを目指します。
ゲームの基本となるのは、駒の配置よってアクションを選択、実行していく「ワーカープレイスメント」です。
ゲームボード上には、いくつも建物が描かれ、それぞれに固有の効果が設定されており、そこに駒を置いていくことで、その効果を受けることができるのです。労働者駒には、「レベル」にあたる熟練度があり、アクションを選択する際には、その熟練度を踏まえることが必要となる場合もあります。そのため、その熟練度を上げるためのアクションを先んじて実行しておくことも大事かもしれません。
さまざまなアクションを組み合わせ、原材料を入手し、職人の力を借り、原材料を加工し商品を作り、出荷や商人への売却をすることが、メインとなる得点手段です。
しかし、それを繰り返すことで簡単に得点を獲得し続けることは難しいでしょう。
というのも、このゲームで、もっとも特徴的な存在、箱にも大きく描かれた巨人「タイタン」がいるからです。
地下世界に住まうタイタンは、ゲーム中、常にプレイヤーたちの脅威となります。
強大なタイタンの力に対抗するために、プレイヤーたちは、自らもタイタンを率いています。
さまざまなアクションの中には、自らが率いているタイタンの力を増大させていくものも用意されています。状況に応じて、タイタンの力をより強いものとしていきましょう。
また、タイタンだけでなく、重装歩兵隊「ファランクス」による増援部隊を大きくしていくことも重要です。
タイタンは、また、プレイヤー同士の「決闘」にも用いられます。
プレイヤーたちは、お互いのタイタンをぶつけ合い、さらなる利益のため、他のプレイヤーを打ち負かすことが必要となることもあるのです。
指導者として、より大きな利益を得るためには、強大な力も得て、それを活用しなければならないのです。
王道的なワーカープレイスメントに、タイタンによるプレイヤー間のパワーバランスの構築と、その力を用いた直接的な闘いが盛り込まれ、常に緊張感のある展開が味わえるようになっています。
同作者の「ペルガメムノン」にも見られた、一人のプレイヤーが常に闘いで負け続けることを避けるためのルールが採用されており、直接的な闘いを盛り込みつつも、丁寧にバランス調整が行われたことが伺えるのも、好ポイントと言えるでしょう。